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『ドッグ・ヴィル』

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Paul Betanny Festival,第三夜!!!

『ドッグ・ヴィル』、やっとこ観ました!


『奇跡の海』で、カンヌ映画祭の審査員特別グランプリを。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』では、パルム・ドールを。

獲ってしまった鬼才ラース・フォン・トリアー監督ですが、この監督の作品を観るのって・・・・なんか勇気がいります。

だいたいカンヌのパルム・ドール受賞作は観てみるようにしてるんですけど・・・・・
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』はムリでした。
だって観る人観る人、みんな口々に重い!とか許せない!とか言うんだもんさ、そりゃスルーです。落ち込んでるときにたまたま観たりしたら、もう二度と立ち上がれなくなるんじゃないの?触らぬ神にたたりなしです。
まあ、ココロに余裕のあるときに観る候補にいれときますけども。

この作品は、トリアーの「アメリカ三部作」の1作目。
エミリー・ワトソンを世に送り出し、ビョークを抜擢するサプライズ人事の後、大女優ニコール・キッドマンを主演にすえた今作。
床に白線を引き、家の中にはシンプルな家具のみを置いて、見渡せば家の中で誰がなにをしているか丸見えという、斬新なセットが話題になりました。
今回、ポールが演じるのはドッグ・ヴィルに逃げこんできたグレイス(ニコール)を匿ってやる青年トムです。ほぼ準主役級の登場っぷり、とくと拝見しました。










なんか、ため息でるな~


なんというか、ホントはそっとしておきたい所を暴かれてしまったような居心地の悪さは一体なんなんだろう?
閉鎖的な村の、あの重々しい空気感。少しのセットと音だけなのに、なんとも寒そうな空気感が、いっそう残酷さ異様さを浮き彫りにしてた。


人々の閉じた心へ触れようとしてそれぞれが抱える弱さを見つけてしまう結果、過剰な反感を買い、ひどい扱いを受けてしまうグレース。
彼女への仕打ちがどんどんエスカレートしていく中、自分の中で「ここまでは、しかたないかな?」とか言ってなんとか村人のフォローしてたんだけど、途中からもはや人道的とはとても言えない仕打ちを始める村人に対し、どうしようもない怒りがこみ上げてくる。


最後のシーン、グレースが「この地上からこんな村がなくなればいい」と言い残し、村を焼き払ったあの場面。
いだきたくなかったはずのカタルシスを覚えてしまった。それが自分でもいいのかわるいのかよく分からなくって、戸惑うばかりでした。

やっぱり、重い!フォン・トリアーでした!
by marusun1224 | 2006-03-08 01:20 | マイ・フェス開催記
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